『ジャンケットバンク』の三角とは、カラス銀行1ヘッドに所属するギャンブラー・三角誉(みかど ほまれ)です。人間を「理解」するため他者を模倣し続けた彼は、真経津晨との「デビルズマイン・ツインズ」で、その理解の限界と本当に求めていたものに辿り着きました。
三角は単に強いギャンブラーというだけではありません。
「人を理解するとはどういうことなのか」という『ジャンケットバンク』の大きなテーマを、異様なほど純粋に体現した人物です。
『ジャンケットバンク』の三角とは?三角誉のプロフィールと正体
『ジャンケットバンク』で「三角」と呼ばれている人物の正式な名前は、三角誉(みかど ほまれ)です。
カラス銀行のギャンブラーの中でも、上位50名が所属する「1ヘッド」の一人であり、伊藤班にとって極めて重要な切り札として登場しました。
プロフィールとして明らかになっている主な情報を整理すると、次の通りです。
- 名前:三角誉(みかど ほまれ)
- 誕生日:1月23日
- 年齢:30歳
- 身長:179cm
- 体重:70kg
- 血液型:AB型
- 職業:無職
- 趣味:人間観察
- 好物:ラーメン
- 所属ランク:1ヘッド
- 通り名:共同体(ハイブ)
- キャッチフレーズ:全方位ドッペルゲンガー
- 担当行員:土屋田謙介
169話のカラー扉では「危険度∞」という強烈な表現も使われています。
普段の外見は容姿端麗で、万年筆のペン先を思わせる耳飾りが特徴です。169話の巻頭カラーでは、先端が黒くなった金髪とピーコックグリーン系の上衣という配色も判明しました。
しかし、彼の本当の恐ろしさは外見ではありません。
三角誉は、関わった人間を徹底的に観察し、その人格そのものに近づくほど模倣する人物なのです。
同じ1ヘッドの眞鍋瑚太郎を担当した蔵木慎之介ですら、三角の名前を聞くだけで体調が悪くなりそうなほど警戒していました。
伊藤班の行員たちからも、できれば会いたくない存在、人間として扱っていいのか疑わしい存在として恐れられています。
担当行員の土屋田謙介が三角を「イカレ男」などと評しているのも、単なる悪口というより、それだけ扱いの難しい人物であることの裏返しでしょう。
個人的に三角の設定で面白いのは、これほど恐れられる人物なのに、本人にはいわゆる「悪人として振る舞っている」という感覚が薄いことです。
三角が求めているものは支配や金銭ではありません。
彼が欲しかったのは、突き詰めれば「他人を理解し、孤独にならないこと」でした。
そこが三角誉という人物を、単純な敵役では終わらせない最大のポイントだと私は感じています。
『ジャンケットバンク』の人物関係を追っていると、
「前の展開を映像でも振り返りたい」
「関連するアニメや映画もまとめて探したい」
と感じることがありますよね。
作品探しの手間を減らしたいなら、
U-NEXTの無料トライアルを確認するのも一つの方法です。
新規登録者向けに31日間の無料期間があり、
600円分のポイントも案内されています。
配信作品や条件は変わるため、
利用前に最新情報を確認してみてください。
⇒ U-NEXT|31日間無料の条件を確認する
三角誉はなぜ「共同体(ハイブ)」と呼ばれるのか?
三角誉を理解するうえで欠かせないのが、「共同体(ハイブ)」という通り名です。
英語の「hive」は、一般的に蜂の巣や、多数の個体が集まる場所を意味します。
この言葉が三角に当てられているのは、彼が一人の人格だけで生きている人物ではないからです。
三角は、これまで関わってきた人間を観察し、仕草や言葉遣いだけでなく、思想、判断基準、感情の動きまで分析してきました。
身体的に再現できないことを除けば、対象者がどう考え、どう行動するのかを非常に高い精度でなぞることができます。
これは一般的な「モノマネ」とはまったく性質が違います。
相手らしい表情をする。
相手らしい言葉を使う。
そこからさらに踏み込み、「その人なら何を選ぶのか」まで再現しようとするのが三角です。
そして、模倣した人格は三角の内面に残り続けます。
三角自身の感覚では、それらは単なるデータではなく、一緒に暮らす「友達」に近い存在でした。
彼の中に人格が増えていけば、一人ではなくなる。
家庭のような集まりができ、さらに大きくなれば社会や世界を作ることすらできる。
そうすれば孤独ではなくなる。
非常に歪んではいますが、三角本人の中では一貫した理屈になっています。
だからこそ「共同体」という名前が恐ろしいほど似合うのです。
彼は一人の人間でありながら、自身の内側に多数の他者を抱え込んでいました。
三角誉が他人を模倣するようになった理由
三角の行動の原点は幼少期にあります。
生まれつき他人への共感が極端に弱かった三角は、誰かが苦しんでいても、その痛みを自分の感覚として共有することができませんでした。
本人にとって他人の苦痛は「起きている出来事」として理解できても、「なぜそこまで嫌なのか」を感情として受け取ることが難しかったのです。
そのため周囲との衝突が絶えませんでした。
三角自身からすれば、自分を理解しないまま責め、謝罪まで求めてくる周囲のほうが、むしろ理不尽な存在に見えていました。
やがて家庭も疲弊していきます。
母親は、他者の痛みを理解できない誉に追い詰められ、「人の気持ちが分からない怪物」のような言葉をぶつけてしまいます。
さらに、一人ぼっちのまま寂しく人生を終えることになると告げてしまいました。
ここで三角が感じたのは、怒りよりも「孤独になるのは嫌だ」という思いでした。
共感する力がほとんどなくても、三角に感情そのものが存在しないわけではありません。
一人になりたくない。
だったら他人を理解すればいい。
そのために、徹底的に他人を観察する。
これが三角誉の「模倣」の始まりでした。
私はここが三角という人物の最も悲しい部分だと思います。
出発点にあったのは「人と仲良くしたい」という、驚くほど普通の願いだったからです。
ところが、他人を理解する方法を知らなかった三角は、理解を「相手と同じになること」だと解釈してしまいました。
その小さなズレが、やがて取り返しのつかないほど巨大になっていったのです。
三角誉が恐れられた理由は?74人を取り込んだ「理解の怪物」
三角誉は、他者の模倣を長年続けてきました。
そして作中では、74人もの人物が三角の「理解」に巻き込まれたことが示されています。
重要なのは、三角自身が殺意を目的として行動しているわけではない点です。
三角は相手を理解する。
その人の行動、思考、感情まで徹底的に読み解いていく。
しかし対象者にとっては、自分という存在を隅々まで解体され、自分以上に自分らしく振る舞う存在が目の前に現れることになります。
その精神的負荷に耐えられず、最終的に命を落としてしまった人々がいました。
それでも三角本人は、自分が彼らを殺したとは考えません。
彼の中では、「理解した友達」が自分の中に残っているためです。
一般的な価値観から見れば到底受け入れられない行動ですが、三角の倫理観では人間を奪っている感覚すら薄い。
天堂弓彦が彼を「純粋な邪悪」として認識した理由も、ここにあります。
利益のために人を利用する悪人なら、まだ行動原理を理解できます。
しかし三角は善意に近い感覚で他者を破壊してしまう。
悪意がないからこそ、止めるための共通言語さえ見つけにくいのです。
第2種白紙権とは?
三角が持っている特権も、彼の危険性を象徴しています。
それが「第2種白紙権」です。
この権利は、指定した日時から最長2週間まで遡り、権利者の行動や存在を社会的に「なかったこと」にできるというものです。
完全な隠蔽が困難な場合には、安全な場所へ移送したうえで偽の行動履歴まで用意されます。
106話で三角が飛行機に乗っていた状況も、この特権による処理と関係していました。
本来なら最初の主任解任戦に三角が出る予定だったものの、彼が安全な場所に隔離されていたため、代わりに眞鍋瑚太郎が真経津晨と戦う流れになっています。
さらに第2種白紙権は、20枚綴りでヘックスメダル10枚。
三角はすでに2度購入していました。
高価な特権を複数回買えるほど、1ヘッドで勝利を積み重ねてきたことになります。
ここで私が注目したいのは、白紙権が三角の人生そのものと奇妙に重なる点です。
三角は人とのつながりを求めながら、その人と関わった自分の過去を消してきました。
「孤独になりたくない」のに、人間関係の痕跡を白紙にする。
その矛盾は、三角が最後まで気づけなかった「理解」と「つながり」の違いを象徴しているようにも感じられます。

三角誉の初登場は何話?106話から169話まで続いた不穏な伏線
三角誉の初登場は第106話です。
この時点では現在のような重要人物として詳しく説明されたわけではなく、オークションで購入された「予約商品」が乗る飛行機に同乗していました。
そこで三角は、買い戻された御手洗暉と会話します。
御手洗が抱えている感情を次々と言語化していく姿は、後から振り返れば三角の本質をかなり早い段階から示していました。
本人は、その飛行機に時々乗るという趣旨の話をしていましたが、通常のオークション帰りとは考えにくい状況でした。
その後、主任解任戦が始まってから断片的に登場するようになります。
姿を見せるたびに意味深な描写が重なり、「この人物は何者なのか」という疑問が長く引っ張られていきました。
そして最終戦を目前にして、伊藤班が抱えている最強クラスのギャンブラーであり、標的を模倣する危険人物であることが明らかになります。
本誌初登場から名前が判明するまでの間隔は、63話、日数にすると665日とされています。
名前が分からなかった時期には、「飛行機の人」「飛行機のお兄さん」といった呼び方もファンの間で使われていました。
この長い伏線期間があったからこそ、三角誉という名前と正体が明かされた時のインパクトは非常に大きなものでした。
さらに本格参戦する169話のタイトルは「friends will be friends」。
『ジャンケットバンク』では初の英語タイトルとされ、三角が執着してきた「友達」というテーマを強く印象づけています。
三角誉の登場話や過去の伏線を整理すると、
「どの場面だったかもう一度確認したい」
と感じることもありますよね。
とはいえ、関連作品まで一つずつ探すのは意外と手間です。
映像作品や電子書籍をまとめて探したい場合は、
U-NEXTという選択肢もあります。
新規登録者向け無料トライアルは31日間で、
600円分のポイントも案内されています。
対象作品や利用条件は変わるため、
最新情報はリンク先で確認してください。
⇒ U-NEXT|作品探しをまとめて確認する
三角誉と真経津晨の「デビルズマイン・ツインズ」はどう決着した?
三角誉の物語における最大の見せ場が、2度目の主任解任戦で行われた大将戦です。
1ヘッドのゲーム「デビルズマイン・ツインズ」で、三角は真経津晨と対戦しました。
顔合わせの段階から、三角は真経津に強い関心を示します。
真経津の思考が「楽しみ」に大きく支配されていることを見抜き、言葉や表情をなぞるような行動も始めました。
真経津は早い段階で、三角が自分をコピーしようとしていることに気づきます。
しかし三角本人にとって目的は「殺す」ことではありません。
あくまで真経津とわかり合うことでした。
最初は弱く見えた三角が急速に真経津へ近づく
ゲーム序盤の三角は、意外なほど読み合いが強くありませんでした。
黎明から見ても、1ヘッドのギャンブラーとしては不自然なほど低いレベルに映る場面があります。
ところがラウンドが進むにつれて状況が変わります。
三角は真経津の行動を観察し続け、少しずつ理解を深めていきました。
やがて村雨礼二が「挙動を完璧に模倣している」と評価するほど、真経津の振る舞いを再現する段階に到達します。
札の出し方まで読めるようになり、三角は勝負の主導権を握っていきました。
しかし、ここで彼の能力そのものが弱点になります。
三角は真経津だけではなく、過去に理解した「友達」の人格も完璧に模倣していました。
つまり、読み合いがそれほど得意ではない人物へ人格が切り替われば、三角自身もその人物らしい弱点を再現してしまいます。
真経津はそこから三角の手を読めるようになります。
不完全な人間を完璧に再現するほど、自分まで不完全になる。
何とも『ジャンケットバンク』らしい逆説です。
三角は自分の中の「友達」を消して対応した
普通なら、ここで自分の能力に疑問を抱くところでしょう。
しかし三角誉は違いました。
自分の中に残っている人格が勝利の妨げになるなら、その人格を切り離せばいい。
三角は手を読まれる原因になった「友達」を次々と排除していきます。
結果として脳内のリソースにも余裕が生まれ、三角自身の能力をより発揮できる状態になりました。
ここは彼の恐ろしさが最も端的に現れた場面だと思います。
三角にとって友達とは、自分の孤独を埋めるために必要な存在だったはずです。
ところが、自分に害を与えると分かれば切り捨てられる。
つまり三角が築いていた「共同体」は、本当の意味で対等な人間関係ではなかったのです。
全員が三角という世界の中に存在する住人。
中心には常に三角本人がいる。
この構造が後の敗北にもつながっていきます。
減圧の罠さえ三角は読んでいた
ゲーム中盤、真経津は岩を掘りすぎることで起きる減圧を利用し、三角を倒そうとします。
ところが三角は、その狙いすら察知していました。
真経津が別の作戦を準備しないように、あえて減圧を狙わせていたのです。
さらに三角は、ルールに記された「大爆発」という言葉に着目します。
「爆死」ではなく「大爆発」と表現されている以上、爆発が起きても死なない条件が存在するのではないか。
そう推理した三角はスケルトンキーを使用。
「ワーカホリック」の特性を自分に与え、削岩カウンターを増やして大爆発を発生させます。
そして爆発を生き延びるだけでなく、可燃性の高い「ヘル・インゴット」を燃やし尽くし、減圧状態まで解除しました。
真経津の策を読んだうえで、ゲームの文言に残された可能性まで掘り当てる。
三角が伊藤班の切り札とされた理由がよく分かる展開です。
真経津はどうやって三角に勝った?「理解」ではなく期待したことが決め手
三角戦の本当の核心は、ここからです。
真経津はスケルトンキーを三角に使い、「ワーカホリック」を追加で付与しました。
その結果、三角は4種類の宝から毎回3種類を選ばなければならない状況になります。
一方、真経津は岩の揺れから中身を判断できるようになっていました。
真経津がブランクを選び、三角もブランクを取得すればラウンドはやり直し。
さらに「大喰らいの人魂」による洗浄で水が降り続けます。
ここでゲーム開始前の行動がつながります。
真経津は早い段階で側溝へ石を投げ、溝の浅さを確認していました。
つまり、繰り返し洗浄が発生すれば水が蓄積することを計算に入れていたのです。
三角は複数のワーカホリック効果によって選択肢を強く制限される。
真経津はブランクを選び続けられる。
ラウンドは終わらず、三角側だけ水位が上がっていく。
真経津が用意していた、本命の攻略法でした。
三角の「完璧な理解」が間違っていた理由
三角は当然、疑問をぶつけます。
真経津の第一の作戦を自分が見破らなければ、この第二の罠にはたどり着けなかったはずだからです。
ここで真経津は、三角が信じ続けてきた「理解」そのものを否定します。
人間は、自分が選んだことだけで形作られているわけではありません。
むしろ人生では、「選ばなかったこと」のほうが圧倒的に多いのです。
夕食にある料理を選んだとしても、世の中にあるほかの無数の料理を選ばなかった理由を、一つずつ意識している人はいません。
本人ですら説明できない空白が、人間には大量に存在します。
ところが三角は、見える行動や選択を集めることで相手を完全に理解できると考えていました。
だから真経津は、自分が選んだ行動、言葉、作戦を三角に見せます。
すると三角は、その限られたピースを使い、「これが真経津晨だ」という人格を自分の中に作ってしまう。
しかし、それはあくまで三角が組み立てた真経津像です。
本人そのものではありません。
ここで三角の能力は、初めて根本から破られました。
「何を選んだか」はコピーできても、「なぜ無数の何かを選ばなかったのか」まではコピーできない。
なぜなら、その理由は本人の中にすら存在しないことがあるからです。
これは三角戦だけの攻略理論ではなく、『ジャンケットバンク』が人間そのものをどう捉えているかにも触れる、とても重要な場面だと私は思います。
真経津が三角に向けた「期待」
そして最大の決め手となったのが、期待です。
真経津は、三角なら自分の第一の作戦を必ず見破ると考えていました。
だから、第一の策が破られることを前提として第二の策まで用意していたのです。
三角は、それまで期待や信頼のようなものを合理性のない「妄想」と捉えていました。
他人を完全に理解できなければ、その人が何をするか信じることなどできない。
それが三角の世界観です。
ところが真経津は逆でした。
三角を完全に理解しているから策を作ったのではありません。
分からない部分が残っていても、「三角ならここまで来る」と期待したのです。
三角が生涯追い求めていた「理解」の外側に、本当のコミュニケーションが存在していました。
ここが私は、この勝負で最も美しい逆転だと感じました。
ギャンブルで勝ったから真経津が上なのではありません。
「あなたのことを全部知ってはいない。それでも、あなたならやれると思った」。
三角が74人分の人格を取り込んでも手にできなかったものを、真経津はたった一つの「期待」で渡してしまったのです。
三角誉の最期は?真経津との17回の会話と母親の記憶
攻略法を理解した三角は、完全に取り乱して勝負を投げたわけではありません。
むしろ、自分の限界を知ったあと、真経津にもう少し話したいと求めます。
真経津もそれを受け入れました。
そこから二人は、17回目の同ラウンドに至るまで同じ勝負を繰り返します。
真経津はブランクを選ぶ。
三角は強制された宝を取る。
洗浄が起きる。
水位は上がり続ける。
それでも二人は会話を続けました。
勝負の決着だけを見れば、追い詰められた三角と勝利目前の真経津です。
ところが場面の空気は、敵同士の殺伐としたものから少しずつ変化していきます。
三角が一生かけて求めてきた「誰かと分かり合う時間」を、皮肉にも敗北が決まったあとに初めて手にしているように見えるのです。
三角は最後まで勝つ可能性を探していた
三角はただ静かに敗北を受け入れていたわけでもありません。
ゲーム台付近から水が抜ける可能性を最後まで探っていました。
しかし排水できないことを確認すると、持ち時間を意図的に超過。
反則負けを選びます。
この場面が三角らしいところです。
悟ったような顔をしていても、勝てる可能性が残っているうちは試す。
そして可能性がないと判断した時には結果を受け入れる。
狂気的な能力とは別に、一流ギャンブラーとしてのしたたかさも最後まで失われていませんでした。
反則負けとなり、ペナルティが迫る中、三角は真経津に問いかけます。
「分かり合うことに、理屈はいらないのか」という趣旨の問いです。
真経津の答えは、皆が自分の希望を口にしているだけという、とても軽やかなものでした。
合理性を追い求め続けた三角にとって、それはあまりにも無責任な答えです。
けれど三角は、そのほうが楽しそうだと受け入れました。
かつて共感性の薄さを象徴するような人物だった三角が、最後に「楽しそう」という感覚を選ぶ。
この小さな変化こそ、彼の人生で起きた最大の変化だったのではないでしょうか。
三角が最後に理解した「二人目」とは?
そして三角は、自分に期待してくれた人間は真経津が初めてだと考えます。
しかし、その瞬間に幼少期の記憶が蘇ります。
母親です。
三角が模倣を始めるきっかけとなった日、母親は激しい感情をぶつけてしまったあと、息子に謝っていました。
そして、誉は他の人とは違う。
けれど、違うこと自体を悪いことだと思わなくていい。
その思いを伝えていました。
しかし幼い三角は、その意味を理解できませんでした。
母親が感情的に口にした「怪物」という側だけを真実だと思い込み、自分は母親から怪物だと認識されていたと解釈していたのです。
真経津から「期待」を向けられて初めて、三角は母親の言葉を別の角度から見ることができました。
母親は誉を完全に理解していたわけではない。
理解できない部分があるから苦しみもした。
それでも、「あなたはあなたのままで生きられる」と期待してくれていた。
真経津に続く二人目ではありません。
母親こそが、三角誉に期待してくれた最初の人だった。
三角は人生の最後になって、ようやくそこへ辿り着きます。
その後、三角はゲームのペナルティを受け、物語上の生涯を終えることになります。
描かれ方は激しい勝負の結末でありながら、不思議なほど静かです。
長い間「一人ぼっちで終わる」ことだけを恐れ、他者の人格を自分へ取り込み続けた三角。
その最後に彼の心へ戻ってきたのは、74人の「友達」ではなく、母親との記憶でした。
私はここに、三角誉というキャラクターの物語がきれいに閉じる瞬間を感じました。
『ジャンケットバンク』三角誉から考える「理解」とコミュニケーション
ここからは私見になります。
三角誉編が印象深い最大の理由は、「相手を理解するほど関係が深まる」という常識を、そのまま肯定しなかったことにあると考えています。
もちろん、誰かを知ろうとすること自体は大切です。
ただし人間は、情報をすべて集めれば完全に再現できる機械ではありません。
昨日した選択。
今日した選択。
口癖。
好きなもの。
嫌いなもの。
過去の経験。
これらをどれだけ集めても、「その人そのもの」にはならない。
なぜなら、人間には本人にすら説明できない空白があるからです。
三角は、その空白を受け入れられませんでした。
分からないなら観察する。
足りないならさらに情報を集める。
それでも足りなければ、その人になればいい。
しかし理解を突き詰めるほど、現実の他者との距離は逆に広がっていきました。
三角が作った「友達」は、三角の精神世界の中にしか存在しません。
本物の人間のように、自分の予想を裏切ったり、意味不明なことをしたり、理由もなく気分を変えたりする存在ではないのです。
つまり三角は、人間を理解したかったのに、最後には自分が理解できる範囲に人間を閉じ込めていたとも言えます。
それに対して真経津が示したのが「期待」でした。
相手がどうするか100%分からない。
でも、きっとこうする。
裏切られるかもしれない。
それでも信じてみる。
この不確実性こそ、人と人との関係の面白さなのかもしれません。
三角には、その「分からないまま一緒にいる」という発想がありませんでした。
だから真経津の作戦そのものより、「自分に期待していた」という事実のほうが三角を根底から揺さぶったのでしょう。
そして、この視点から見ると第2種白紙権もより印象的です。
三角は友達を増やして孤独を消そうとしながら、白紙権によって現実世界で他人と関わった痕跡を消していました。
人を残そうとしながら、関係を消していた。
この矛盾こそ、三角が本当に必要としていたものを知らなかった証拠のように私は感じます。
三角が欲しかったのは、他人の人格ではなかったのかもしれません。
自分とは違うまま、自分のそばにいてくれる誰か。
理解できない部分があっても、自分に何かを期待してくれる誰か。
真経津との最後の会話によって、それを知ることができたからこそ、三角誉の最期には悲しさだけではなく、どこか救いのような余韻が残るのでしょう。
まとめ:三角誉は「理解」を求め続けた共同体の怪物
『ジャンケットバンク』の三角とは、カラス銀行の1ヘッドに所属するギャンブラー、三角誉です。
「共同体(ハイブ)」「全方位ドッペルゲンガー」と呼ばれ、他者の行動だけでなく人格や思考まで模倣する異常な理解力を持っていました。
106話で初登場し、長期間正体を伏せられたのち、2度目の主任解任戦で伊藤班の切り札として真経津晨と激突します。
74人もの人格を自分の中へ残し、孤独を避けようとしてきた三角。
しかし真経津との「デビルズマイン・ツインズ」で、選択を集めるだけでは人間を完全に理解できないことを突きつけられます。
そして最後に知ったのが、理解ではなく「期待」でした。
真経津が自分に期待してくれたこと。
さらに振り返れば、母親もかつて自分に期待してくれていたこと。
その事実を理解した時、三角誉はようやく長年抱えていた孤独への恐怖から離れることができたように見えます。
私は三角誉を、単なる「強すぎる敵キャラ」ではなく、人間を理解したいという願いを間違った方向へ突き詰めてしまった人物だと感じています。
だからこそ彼の最後には、「もっと早く気づけていれば」という切なさと、「最後には気づけてよかった」という安堵が同時に残ります。
『ジャンケットバンク』という作品が、ギャンブルの勝敗だけではなく「人はどうすれば他人とつながれるのか」まで描いていることを強く感じさせる人物。
それが三角誉なのではないでしょうか。
三角誉の背景まで知ると、
登場人物の表情や台詞をもう一度追いたくなりますよね。
作品を深く楽しむ時は、
関連する映像や原作を探せる環境があると便利です。
U-NEXTでは新規登録者向けに
31日間の無料トライアルが案内されており、
600円分のポイントも付与されます。
自分に合うか無料期間中に確かめることもできます。
配信ラインアップや条件は変更されるため、
最新情報を確認したうえで検討してみてください。
⇒ U-NEXT|無料トライアルの詳細を見る
よくある質問
『ジャンケットバンク』の三角の本名は?
本名は三角誉(みかど ほまれ)です。
30歳で、カラス銀行の上位ランク「1ヘッド」に所属するギャンブラーとして登場します。通り名は「共同体(ハイブ)」です。
三角誉はなぜ他人を模倣するのですか?
幼少期から他人への共感が極めて弱く、人間関係で衝突を繰り返したことが背景にあります。
一人ぼっちになることを恐れた三角は、「他人を理解すれば仲良くなれる」と考え、相手の行動や思考、感情まで再現するほどの模倣を続けるようになりました。
三角誉は真経津晨に負けたのですか?
はい。
「デビルズマイン・ツインズ」で真経津晨と対戦し、真経津が仕掛けたブランクと洗浄による水位上昇の仕組みに追い込まれます。
最終的には持ち時間を意図的に超過して反則負けとなりました。
ただし、この勝負で三角は「人間を完全に理解すること」の限界と、自分が本当に求めていた「期待」という感情に気づきます。
みらくる(男性・43歳)
アニメ・ドラマ考察ブロガー|感情言語化スペシャリスト



コメント