レトロでエモい!『さよならララ』OPのセル画アニメーションと原画の魅力

『さよならララ』OPでは実物のセル画を一部使用し、撮影台で撮影。代表的な使用カットは茉里の振り返りとララの横顔です。 Real Sound|リアルサウンド

さらに2026年8月にはOP制作のメイキング映像も公開され、撮影設備探しや故障した機材の修理、セル用絵の具の色確認、透過光まで含めた制作の裏側が明らかになりました。 Mantan Web+1

『さよならララ』OPは本当にセル画?何が話題になったのか

結論から言えば、『さよならララ』OPの一部は「セル画風」のデジタル加工ではなく、実際に透明なシートへ彩色したセル画を使い、撮影台で撮影した映像です。

いきものがかり公式サイトでは、2026年7月13日付で『さよならララ』のクレジット入りオープニング映像公開を告知しています。OPテーマはいきものがかりによる同名曲「さよならララ」です。 いきものがかり OFFICIAL WEBSITE

作品公式側は、OPの一部にアナログ作画を用いていることを案内。

クリエイティブプロデューサーの森山菜月さんも、自身のSNSで単にセル画のように見せたものではなく、実際のセル画を撮影台で撮影したことを説明しています。 Real Sound|リアルサウンド

公開情報でセル画を使った代表的な場面として挙げられているのが、OP冒頭で大津茉里が振り返るカットと、後半に登場するララの横顔です。 Real Sound|リアルサウンド

OP全編を昔と同じ工程で制作したわけではありません。

デジタル制作の映像の中へ、必要な部分だけ本物のセル画を差し込んでいることがポイントです。

これはかなり面白い選択だと私は感じました。

セル画の技法そのものを見せたいだけなら、OP全体をレトロな質感へ寄せる方法もあったはずです。

けれど『さよならララ』では、現在の映像の中に、一瞬だけ異なる時間の層が現れるようにセル画が使われています。

その構造は、この作品の主人公ララとも重なります。

公式サイトによると、ララはかつて人間の王子への恋が実らず泡となって消えた人魚姫。そこから約200年の時を経て、現代の滋賀県・琵琶湖へ蘇り、もう一度「本当の愛」を探していきます。 オリジナルTVアニメーション『さよならララ』公式サイト

200年前から現代へやって来たララの物語に、かつてアニメ制作の中心だったセル画が入り込む。

この組み合わせを知った瞬間、単なる「昔っぽくていい映像」では終わらなくなるのです。

なお、『さよならララ』はキネマシトラスの15周年記念作品として発表されたオリジナルアニメーションです。

この点は2025年7月1日の作品公式発表でも明記されており、「15周年記念作品」という位置づけは公式情報で確認できます。 オリジナルTVアニメーション『さよならララ』公式サイト

長くアニメーションを作ってきたスタジオの節目となる作品で、人の手仕事を強く感じさせるセル画へ立ち返った。

そう考えると、このOPには「作品世界の表現」と同時に、「アニメーションそのものへのまなざし」も込められているように思えてきます。


なぜ2026年のTVアニメで実物のセル画を使うのは珍しい?

現代のアニメ制作ではデジタル彩色やデジタル撮影が一般化しており、物理的なセルと昔ながらの撮影設備を実制作へ戻すには、通常の制作ラインとは別の準備が必要になります。

『さよならララ』では、その大変さが想像ではなく、実際の制作過程として明らかになりました。

2026年8月に公開された約9分のメイキング映像「『さよならララ』ができるまで ―Behind the Scenes― OP制作編」では、企画段階からセル撮影、完成までの工程が紹介されています。 ナタリー+1

特に驚かされるのが、セル画を描けば終わりではなかったことです。

制作では、セル画を撮影できる人と設備を探すところから始まりました。

ようやく見つかった撮影機材にもバッテリー切れや故障などの問題があり、修理を経て撮影へ進んだことが報じられています。 Mantan Web+1

その後も、

  • セル用絵の具を使ったテスト塗り
  • 実際の色の見え方の確認
  • 撮影台にセルを置いての撮影
  • 光を利用する「透過光」のアナログ処理
  • 光の位置を目視しながら行う微調整
  • 撮影した映像を繰り返し確認する作業

といった工程が重ねられています。 バンガー+1

ここまで知ると、「セル画を使いました」という一言の重みがまるで変わってきますよね。

パソコン上でセル画らしい色調を再現することと、物理素材を用意し、現存する設備を探し、修理し、実際に光を当てて撮影することは同じではありません。

私は、この制作過程こそ『さよならララ』OPの最大の見どころの一つだと思っています。

なぜなら、完成した映像だけでなく「その映像を作るために費やした時間」まで作品表現になっているからです。

現代で実セル制作が珍しい理由も、ここから見えてきます。

セル画制作には、セルそのものだけでなく、彩色の知識、撮影設備、その設備を扱える人、アナログ撮影特有の経験が必要です。

実際、『さよならララ』で撮影者や設備を探すところから始めている事実は、こうした環境が現在の一般的なTVアニメ制作工程から外れた存在になっていることを物語っています。これは公開された制作過程から読み取れる一つの見方です。 Mantan Web

そこには当然、通常とは違う人的・時間的な負担も生まれます。

具体的な制作費は公表されていないため「いくら余計にかかった」と数字で語ることはできませんが、機材探しや修理、試し塗り、実写的な撮影調整まで必要だった以上、ワンクリックのフィルター処理とは比較できない手間がかかっていることは分かります。

そして、もう一つ大切なのが技術の継承です。

昔の方式を知識として記録するだけではなく、実際にセルへ色を置き、撮影台を動かし、光を調整して一本の映像として完成させる。

この「実際にやってみる」という経験そのものに意味があります。

セル画を文化財のように保存するのではなく、2026年の新作アニメの表現として使う。

私はここに、『さよならララ』らしい姿勢を感じました。

古い技術だから尊いのではありません。

今の作品に必要だから、もう一度使う。

その判断があるからこそ、単なる懐古趣味ではなく、生きたアニメーション表現になっているのだと思います。

※画像はAIによるイメージ

『さよならララ』OPの原画・動画・セル画は何が違う?

原画とセル画は同じものではありません。原画は動きの要所を設計する絵、セル画は動画の線を透明なシートへ転写して彩色した物理的な素材です。

「さよならララ OP 原画」と検索している方ほど、ここを整理しておくとOPの凄さが分かりやすくなります。

昔ながらのセルアニメーション制作を大まかに分けると、次のようになります。

  • 原画:動作の重要なポーズやタイミングを設計する
  • 動画:原画と原画の間をつなぎ、連続した動きに整える
  • セル:完成した線を透明なシートへ転写し、裏側などから絵の具で彩色する
  • 背景:キャラクターとは別に風景や空間を描く
  • 撮影:セルと背景を重ね、光や位置を調整して映像として記録する

セル画については、清書された動画の線を透明なシートへ転写し、絵の具で彩色して作る伝統的なアニメーション素材として説明されています。デジタル化によって、現在の商業アニメでは実物のセルを使う機会が大きく減りました。 KAI-YOU | POP is Here .

ですから「手描きアニメ=セル画」というわけではありません。

現在でも紙やタブレット上で原画を描くことはありますが、その後の彩色や撮影をデジタル環境で行えば、昔ながらの意味でのセル画を使用していることにはなりません。

『さよならララ』が話題になった理由は、原画の線を手描きしたことだけではなく、その先の工程まで物理的なセルと撮影台へ戻したことにあります。

そして、この「人の手を残す」という考え方はセル画だけではありませんでした。

OPに表示されるスタッフクレジットにも、関係者が実際に書いた直筆文字が使われています。

監督の小出卓史さんによると、関係者が紙へ書いた文字を、グラフィックデザイン担当の濱祐斗さんと山口真生さんが細かく整えてクレジットへ仕上げたとのことです。 Real Sound|リアルサウンド

山口真生さん自身も、直筆文字に加えて役職やコピーライト表記までマジックで手書きしたことを明かしています。 X (formerly Twitter)

公式サイトでも、濱祐斗さんと山口真生さんは本作のグラフィックデザイン担当として掲載されています。 オリジナルTVアニメーション『さよならララ』公式サイト

さらに、OPテーマを担当したいきものがかり側も参加しました。

「さよならララ」の作詞・作曲を担当した水野良樹さんには、名前を直筆するためのシートが送られ、編曲を担当した亀田誠治さんにも記入してもらったことが明かされています。 Real Sound|リアルサウンド

OPテーマ「さよならララ」は吉岡聖恵さんが歌唱し、水野良樹さんが作詞・作曲、亀田誠治さんが編曲。

2026年7月15日にデジタル配信され、CDは8月26日に発売予定です。2026年8月13日時点では、CD発売日はまだこれからとなります。 いきものがかり OFFICIAL WEBSITE+1

私は、セル画と直筆クレジットを同じOPに入れたことに強い意味を感じます。

共通しているのは、完成品から「誰かが触った痕跡」を消さないことだからです。

フォントを使えば、文字の形は整います。

デジタル彩色なら、色も均一に管理できます。

それでも『さよならララ』は、少しずつ違う筆跡や、物理的なセルと光をあえて映像へ持ち込んだ。

映像を完璧に均一化するのではなく、人が作ったことまで作品の表情として残したわけです。

セル画と原画の違いを知ることは、単なるアニメ用語の勉強ではありません。

画面の一秒が、どんな人の手と工程を通って生まれたのかを想像する入口になるのです。


なぜ『さよならララ』OPのセル画はこんなに「エモい」のか?私の考察

ここからは、確認できた制作情報と作品設定を踏まえた私自身の考察です。

私は『さよならララ』OPが胸に残る理由を、単純な「昭和・平成っぽさ」だけでは説明できないと考えています。

一番大きいのは、セル画という素材そのものが、ララの物語と同じように「過去から現在へ戻ってきた存在」に見えることです。

ララは約200年前、人間の王子への恋がかなわず泡となりました。

しかし長い時間を経て、2026年の物語では琵琶湖に蘇り、大津茉里をはじめとした現代の人々と出会います。 オリジナルTVアニメーション『さよならララ』公式サイト

一方のセル画も、かつてアニメ制作を支えた方法でありながら、現在ではデジタル制作の普及によって商業TVアニメの標準工程ではなくなっています。 KAI-YOU | POP is Here .

ただし、『さよならララ』はセル画を「昔のまま」に戻したわけではありません。

ここがとても重要です。

ララも200年前の世界へ帰るのではなく、現代の滋賀で新しい人間関係を作ろうとします。

セル画も、現在のデジタル制作を否定して全面的に置き換えるのではなく、現代の制作工程の中へ部分的に取り入れられました。

過去へ戻るのではなく、過去を抱えたまま現在を生きる。

私は、この一点でララとセル画が静かに重なって見えます。

だからOPを見たとき、ただ「懐かしい」で終わらず、どこか切なく感じるのでしょう。

さらに、いきものがかりの楽曲がその感覚を深めています。

いきものがかりは楽曲発表時、作品との出会いを通じて「自分の物語を自分で選んで生きること」や、出会い、言葉、運命、そして別れを選ぶことまで見つめながら曲を書いたとコメントしています。 いきものがかり OFFICIAL WEBSITE

ここで重要なのは、「本当の愛」を恋愛だけに限定していないように感じられることです。

『さよならララ』の公式設定を見ると、現代へ蘇ったララは大津茉里、その家族、王子に似た少年ルカら、さまざまな人と関わっていきます。 オリジナルTVアニメーション『さよならララ』公式サイト

誰かを好きになることだけではなく、誰かと暮らすこと。

自分を受け入れてくれる場所を知ること。

自分の言葉で人生を選び直すこと。

そうしたものまで含めて、「本当の愛」という問いが広がっていくように感じます。

そしてOPでは、その人生を描く人たちの名前まで直筆で残されている。

キャラクターだけでなく、作品を作った人間の時間まで画面に刻まれているわけです。

この設計はとても美しいと思います。

漫画『メイドインアビス』の作者・つくしあきひとさんも放送前の試写会でOPを一足早く鑑賞し、強く感情を動かされたことを投稿。

第2話放送時には、OPについて「グランドエンディング」のような感覚を覚えた趣旨の反応を寄せています。 Real Sound|リアルサウンド

私も、この「始まりなのに終わりの気配がする」という感覚は、『さよならララ』OPを考えるうえで重要だと思います。

普通、OPはこれから始まる冒険を提示します。

ところが『さよならララ』には、すでに誰かの思い出を振り返っているような温度がある。

その理由の一つが、物理的なセル画なのではないでしょうか。

セル画は一枚ずつ手で作られます。

映像として上映されれば一瞬で通り過ぎてしまいますが、その一瞬のために、線があり、色があり、撮影台があり、光の調整があります。

メイキング映像では、現在では数少なくなった設備を探し、故障を直し、色や光を確認しながら完成させていった過程まで明らかになりました。 Mantan Web

これは、「セル画だから自動的に温かい」という話ではありません。

手間がかかった事実そのものが尊いのでもありません。

大切なのは、その工程を使う必然が作品のテーマと結びついていることです。

200年の時を越えて戻ってきたララ。

昔の制作現場から2026年の作品へ戻ってきたセル画。

一人ひとりが紙へ残した直筆の名前。

別れと出会いを歌う「さよならララ」。

これらが一本のOPの中で重なったとき、過去と現在の境界が少しだけ曖昧になります。

私はそこに、このOP独特の「エモさ」があると思っています。

レトロだから泣けるのではありません。

もう戻らないと思っていた時間が、違う形になって今ここへ触れてくる。

その感覚こそ、『さよならララ』のセル画が心を揺らす理由なのではないでしょうか。


まとめ|『さよならララ』OPのセル画は「昔風」ではなく本物

『さよならララ』OPでは、一部カットに実物のセル画が使われ、撮影台による撮影まで行われています。

公開情報で代表的な使用箇所として確認できるのは、冒頭の大津茉里が振り返るカットと、後半のララの横顔です。 Real Sound|リアルサウンド

さらに2026年8月公開のメイキングでは、セル撮影ができる人や設備を探し、故障した機材を修理し、セル用絵の具の色を確認し、撮影台や透過光を使って完成させるまでの工程が明らかになりました。 Mantan Web+1

原画は動きの重要な部分を設計する絵で、セル画は動画の線を透明なシートへ転写して彩色した素材です。

つまり『さよならララ』OPの凄さは「手描きの原画があること」だけではなく、通常はデジタル化されているその先の工程へ実物のセルを戻したことにあります。

そしてクレジットにも、関係者本人が紙へ書いた直筆文字が採用されました。

セル画と直筆クレジット。

二つに共通しているのは、人がそこにいた痕跡を映像から消さなかったことです。

約200年前から蘇ったララを描く物語のOPで、かつて主流だったセル画が2026年の映像へ戻ってきた。

私はそこに、単なるレトロ演出以上のものを感じます。

昔へ戻ろうとするのではなく、過去を抱えたまま新しい時代を生きていく。

『さよならララ』OPのセル画は、そんな作品のテーマを、言葉ではなく素材そのものによって語っているように見えるのです。

次にOPを見るときは、茉里が振り返る瞬間やララの横顔だけでなく、色のわずかな柔らかさ、直筆クレジット、光の重なりにも注目してみてください。

何気なく通り過ぎていた数秒の映像が、きっと以前より少し長く心に残ると思います。


よくある質問

『さよならララ』OPは本当にセル画で作られている?

はい。OP全編ではありませんが、一部カットには実物のセル画が使用されています。

クリエイティブプロデューサーの森山菜月さんも実際のセル画を撮影台で撮影したことを明かしており、2026年8月には制作過程を追ったメイキング映像も公開されました。 Real Sound|リアルサウンド+1

『さよならララ』OPでセル画が使われているのはどこ?

公開情報で代表例として挙げられているのは、冒頭で大津茉里が振り返る場面と、後半に登場するララの横顔です。 Real Sound|リアルサウンド

デジタル映像の中へ部分的にセル画を入れているため、質感の違いそのものもOPの印象につながっています。

『さよならララ』OPの原画とセル画は同じもの?

いいえ、異なります。

原画は動きの重要なポーズやタイミングを設計する絵で、セル画は動画の線を透明なシートへ転写し、絵の具で彩色した物理的な素材です。

『さよならララ』ではさらに、そのセルを実際の撮影台へ載せて撮影し、透過光などのアナログ処理まで行っています。 Mantan Web

完成映像だけでなく、原画、動画、セル、彩色、撮影という工程の積み重ねを知ることで、このOPに残された手仕事の温度をより深く味わえるはずです。

物語の余韻を丁寧にすくい上げ、心震える瞬間をあなたと共に味わい尽くす。

みらくる

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