『来世は他人がいい』で深山霧島が動く最大の理由は、吉乃を守ることだけではなく、彼女を「自分の人生を変える唯一の存在」として強く求めているからだと考えられます。
そして周防薊の正体について重要なのは、吉乃との血縁関係が確定しているわけではないことです。原作で明確になっているのは、薊が吉乃に近づき、染井蓮二の殺害を口にし、霧島とも過去に面識を持つ危険人物だという点です。アニメ公式でも、所属や仕事を受ける動機など多くが謎に包まれた人物として紹介されています。 来世は他人がいい+1
この記事では、霧島の目的、周防薊の正体、吉乃との関係、霧島と薊の因縁を、原作で確認できる事実と私自身の考察を分けながら丁寧に整理していきます。
『来世は他人がいい』霧島の目的とは?吉乃への執着を考察
結論から言えば、霧島の目的を単純な「吉乃と付き合いたい」「吉乃を守りたい」という恋愛感情だけで説明するのは難しいでしょう。
彼にとって吉乃は、退屈で刺激を感じにくかった人生そのものをひっくり返してくれる存在です。
『来世は他人がいい』は、小西明日翔先生による、極道の家に生まれた染井吉乃と深山霧島を中心に描く物語です。講談社公式でも「ヤクザの孫娘×ヤクザの孫息子」の恋物語として紹介されています。 アフタヌーン公式サイト
吉乃は関西最大の暴力団「桐ヶ谷組」直系「染井組」組長・染井蓮二の孫娘。
対する霧島は、関東最大の暴力団「砥草会」直系「深山一家」の総長・深山萼の孫にあたり、蓮二と萼が進めた縁談によって二人は出会います。アニメ公式でも、この縁談をきっかけに吉乃が大阪から東京へ移り、深山家で暮らし始めることが物語の出発点として説明されています。 来世は他人がいい
最初の霧島は、爽やかで人当たりが良く、文武両道。
一見すると「ヤクザの家の人間」とは思えないほど完璧な高校生です。
ところが吉乃が東京で追い詰められていく中、その穏やかな表情の裏に隠された異常な価値観が徐々に見えてきます。
ここが霧島という人物を理解する最初のポイントです。
霧島はなぜ吉乃を好きになったのか
霧島が吉乃に強烈に惹かれるようになったきっかけは、彼女が「普通の女の子」ではなかったからでしょう。
最初の吉乃は、東京での生活に戸惑い、霧島の本性にも振り回されています。
しかし彼女はそこで折れません。
自分を侮辱してくる人間を前にして逃げ続けるのではなく、自らを追い込んででも真正面から対抗しようとします。
元記事でも触れていた「腎臓を売ってやる」というほどの覚悟は、吉乃の異常なまでの負けん気を象徴する出来事です。
この瞬間から、霧島にとって吉乃は単なる「祖父同士が決めた婚約者」ではなくなったと考えられます。
私はここに、この作品の恋愛描写の面白さが凝縮されていると感じています。
普通の恋愛漫画なら「優しいから好き」「一緒にいて安心するから好き」といった方向へ感情が進みます。
ところが霧島は逆です。
自分の予定どおりに動かない。何をするか分からない。自分の人生そのものを壊してくれそうだから惹かれる。
そこが、霧島の恋愛感情を恐ろしくも魅力的にしているのです。
「人生をめちゃくちゃにしてほしい」という感情
霧島の吉乃への執着を理解するうえでは、「俺の人生をめちゃくちゃにしてください」という彼の価値観が非常に重要です。
もちろんこれは、一般的な意味での健全な愛情表現とはまったく異なります。
霧島は、自分にとって刺激のない状態を強く嫌っているように見えます。
だからこそ、自分でも予測できない行動を取り、極道の人間を相手にしても一歩も引かない吉乃に強烈な魅力を感じているのでしょう。
つまり霧島が求めているのは、吉乃の「優しさ」だけではありません。
むしろ、
- 自分に媚びない
- 怖がっても言い返す
- 必要なら命がけで反撃する
- 霧島の狂気そのものを否定できる
- 霧島でも予測できない選択をする
こうした部分こそが、霧島の心を強く刺激していると私は考えます。
霧島にとって吉乃は恋人候補であると同時に、自分が生きている実感を与えてくれる「事件そのもの」のような存在なのではないでしょうか。
この構造を理解すると、霧島がなぜあれほど異常なまでに吉乃へ執着するのかが見えやすくなります。
霧島の過去は現在の性格とどうつながっている?
霧島という人物の異常さは、現在の行動だけを見るよりも、彼の育った環境や人間関係まで含めて考えると理解しやすくなります。
元記事では「幼少期から複雑で歪んだ環境で育ち、強い生存本能と冷徹さを身につけた」と整理していました。
ここについては、霧島を単純に「痛みを感じない人」「恐怖心がない人」と断定するより、一般的な人とは危険や暴力に対する距離感そのものが違う人物と捉える方が自然でしょう。
霧島は非常に頭が切れます。
表向きには社交的で、人との距離の取り方も上手です。
その一方で、必要と判断すれば極端な方法を選ぶことをためらわない。
この二面性があるため、初対面では彼の本質がほとんど見えません。
アニメ公式でも、霧島は文武両道で人当たりの良い人気者でありながら「不気味さを感じるほど完璧」と紹介されています。 来世は他人がいい
私は、この「完璧すぎる」という表現が非常に重要だと感じています。
霧島の爽やかな顔は、本心そのものというより、社会の中で生きるために身につけた完成度の高い仮面にも見えるからです。
普段の霧島と極道としての霧島
霧島の魅力は、二つの顔が単純に「表と裏」で分かれていないところにもあります。
普段は従順で、人当たりがよく、吉乃に対してはどこか嬉しそうに振り回される面もあります。
しかし一度危険な状況に入れば、驚くほど冷静です。
相手の感情、戦力、目的を読み、自分が傷つくことさえ計算に入れて動く。
だから霧島は「狂犬」に見えながら、実は非常に理性的でもあります。
感情で暴走しているように見える瞬間さえ、その裏では恐ろしいほど状況を分析していることがある。
この矛盾した性格が、彼を単なる「ヤバいイケメン」で終わらせない理由でしょう。
そして吉乃だけは、その霧島の計算を何度も崩していきます。
だから彼女が面白い。
だから離したくない。
そう考えると、霧島の恋愛と彼自身の生存感覚は切り離せないものに思えてきます。
吉乃の芯の強さが二人の関係を変えた
一方の吉乃は、物語開始時点から極道の家で育ってはいるものの、積極的にその世界へ入りたがっていたわけではありません。
特殊な家庭環境を受け入れながら、できるだけ平穏に生きようとしてきた少女です。
講談社公式も、吉乃について「家庭環境は特殊でも、おとなしく平穏に日々を過ごしてきた」と説明しています。 アフタヌーン公式サイト
ところが霧島と出会ったことで、その平穏は完全に崩れます。
吉乃は東京で次々と異常な状況に巻き込まれますが、そのたびに「誰かに守られるヒロイン」ではなく、自分で判断して行動する人物へ変化していきます。
吉乃の強さとは、怖くないことではありません。
怖いし、腹も立つし、傷つきもする。
それでも最後に自分で決める。
私はそこが吉乃の魅力だと思っています。
霧島が異常なまでに吉乃へ惹かれるのも、彼女のこの「自分の人生を自分で選ぶ強さ」に触れたからではないでしょうか。
物語が進むほど、吉乃の決断は霧島との関係だけに影響するものではなくなっていきます。
染井組、深山一家、そして彼らを取り巻く人間たちの思惑まで含めて、吉乃自身が物語を動かす中心人物になっていくのです。
周防薊の正体は何者?吉乃との関係を整理
周防薊について最初に押さえておきたいのは、「正体のすべてが判明した人物」ではないということです。
TVアニメ公式では、薊は「冷酷で寡黙」であり、ヤクザの事務所を一週間のうちに一人で片付けるほどの実力を持つ危険人物として紹介されています。
さらに、仕事を受ける動機、仕事の進め方、所属組織などが謎に包まれており、吉乃を求めて霧島の前へ現れるものの理由は不明、霧島とは過去に面識がある様子だとされています。 来世は他人がいい
この公式設定だけを見ても、薊が普通の敵役ではないことは明らかです。
周防薊は吉乃と血縁関係なのか
検索すると「周防薊と吉乃は血縁関係なのでは?」という考察を目にすることがあります。
元記事でも、薊が吉乃の母親や出生の秘密に関係しており、「血縁上の重大な関係がある可能性が高い」と考察していました。
ただし、ここは事実と考察を明確に分けておく必要があります。
少なくとも公式キャラクター紹介では、薊と吉乃に血縁関係があるとは明かされていません。 来世は他人がいい
そのため「薊=吉乃の親族」などと断定するのは早いでしょう。
一方で、薊がわざわざ吉乃を狙って接触している以上、吉乃が彼の計画において重要人物なのは間違いありません。
ここで面白いのは、薊が吉乃本人を単純に排除しようとしているわけではない点です。
原作7巻相当の展開では、吉乃を連れ去った薊が、自らを「周防薊」と名乗り、染井蓮二を殺したいという目的を吉乃へ告げます。
さらに吉乃との結婚を利用して染井家へ入り込むような提案まで行っています。複数の原作紹介でも、この場面が薊の大きな目的として整理されています。 細身の3L+1
つまり、薊が狙っている中心は「吉乃そのもの」というより、吉乃を通じて染井蓮二へ接近することだと考える方が、現時点で確認できる事実には沿っています。
周防薊はヤクザなのか
薊は極道社会と深く関わっていますが、どこかの組に所属する典型的なヤクザとして描かれているわけではありません。
公式も「所属している組」を含めて謎としています。 来世は他人がいい
原作を追っていくと、薊が通常の組織人とは異なる立場から危険な仕事に関わっていることが見えてきます。
それだけに、彼はある意味で霧島以上に予測しにくい存在です。
組織に忠誠を誓っている人物であれば、「誰の命令で動いているのか」を突き止めれば行動原理を読めます。
しかし薊の場合、自身の目的と仕事上の依頼がどこまで一致しているのかが分かりにくい。
私はここが、薊の怖さの本質だと思います。
所属ではなく「個人の論理」で動いている可能性がある人物ほど、極道社会のルールでは制御しにくいからです。
染井蓮二を殺したい理由は?
薊が吉乃へ「染井蓮二を殺したい」と告げていること自体は、原作で示された重要情報です。 コレ推し!マンガ恋心
ただし、そこで当然生まれる疑問があります。
なぜ蓮二なのか。
この核心部分には、まだ読み解く余地が残されています。
単なる金銭目的なのか。
誰かから依頼された仕事なのか。
薊自身の過去や復讐心があるのか。
あるいは複数の理由が重なっているのか。
ここを断定してしまうと、作品最大級の伏線を先走って説明することになってしまいます。
だからこそ、薊については「染井蓮二の殺害を目的として語っている」という確認済みの事実と、「その奥に何があるのか」という考察を分けることが大切です。
周防薊と霧島の関係は?過去の因縁が最大の伏線
霧島と周防薊は、完全な初対面ではありません。
アニメ公式でも、薊について「霧島とは過去に面識がある様子」と明記されています。 来世は他人がいい
ここは非常に重要です。
なぜなら、吉乃を中心に突然二人が敵対しただけなら、薊は「新たに登場した敵」で終わります。
ところが二人の間には、吉乃と出会う以前から何らかの接点が存在する。
つまり周防薊編は、吉乃を狙う事件であると同時に、霧島自身の過去を掘り返す物語でもあるわけです。
薊は霧島にとって何が脅威なのか
霧島は基本的に、自分より強い相手を見ただけで怯えるタイプではありません。
危険そのものを楽しんでいるようにさえ見える場面があります。
そんな霧島にとって薊が厄介なのは、単純な戦闘力だけではないでしょう。
薊は、
- 霧島と過去に面識がある
- 吉乃を狙っている
- 染井蓮二の殺害を口にしている
- 行動原理や所属が読めない
- 単独でも極めて高い危険性を持つ
という複数の要素を兼ね備えています。公式も薊を、一人でヤクザの事務所を片付けるほどの実力者としています。 来世は他人がいい
これは霧島からすれば、非常に面倒な相手です。
強いだけなら対策できます。
目的が分かっているだけでも対策できます。
しかし薊は「強い」「過去を知っている」「何を考えているか分からない」が同時に存在する。
しかもそこへ吉乃まで絡んでくる。
霧島の人生で最も大きな弱点が吉乃だとすれば、その吉乃へ直接手を伸ばせる薊は、極めて危険な存在だと言えるでしょう。
霧島が周防薊に対抗する真の目的
では、深山霧島は何のために薊と戦おうとしているのでしょうか。
第一には当然、吉乃を危険から遠ざけるためでしょう。
しかし私は、それだけではないと考えています。
霧島にとって吉乃は、自分を退屈な人生から引きずり出した存在です。
だから彼女が誰かに殺されることも、自分の知らないところへ連れ去られることも、簡単には許容できない。
言い換えると霧島は、吉乃を守りたいと同時に、「吉乃によって人生を狂わされる権利」を誰にも奪われたくないのではないでしょうか。
この視点で見ると、霧島の独占欲が少し違って見えます。
「吉乃を幸せにしたい」だけではない。
「吉乃によって自分がどうなるのかを最後まで見届けたい」。
そんな欲望まで混ざっているように思えるのです。
これが普通の恋愛漫画なら、とてもロマンチックとは言えません。
しかし『来世は他人がいい』では、この危うさこそが二人の関係を成立させています。
そして薊は、その二人だけの異様なバランスへ外側から入り込んできます。
だから周防薊との対立は、単なる「主人公対悪役」ではありません。
霧島にとっては、自分の過去・吉乃への執着・現在の生き方を同時に揺さぶられる戦いなのだと私は感じています。
吉乃・霧島・周防薊の関係を伏線から整理
ここまでの関係を整理すると、『来世は他人がいい』の構造がかなり見えやすくなります。
人物 吉乃との関係 霧島との関係 重要ポイント
染井吉乃 主人公 婚約者 霧島の人生を変えた存在
深山霧島 吉乃へ強く執着 本人 吉乃を守りつつ独占したい
染井蓮二 吉乃の祖父 深山萼と旧知 薊が殺害目的として名前を挙げる
周防薊 吉乃へ接触・連れ去る 過去に面識あり 蓮二殺害を口にする危険人物
鳥葦翔真 吉乃と家族同然 霧島を警戒する立場 吉乃を大切にする存在
なお、元記事では「鳥川蓮二」という名前が記載されていましたが、正しくは鳥葦翔真(とりあし・しょうま)と染井蓮二(そめい・れんじ)という別々の人物です。
鳥葦翔真は染井組の構成員で、ある事件をきっかけに蓮二に拾われ養子となり、吉乃とは家族同然の昔馴染みです。アニメ版では遊佐浩二さんが演じています。 来世は他人がいい
一方、染井蓮二は吉乃の祖父であり、染井組組長です。
この二人を区別しておくと、周防薊編の人物関係もかなり理解しやすくなります。
『来世は他人がいい』の伏線が面白い理由
本作の魅力の一つは、小西明日翔先生による人物関係の情報の出し方です。
重大な秘密を突然まとめて説明するのではなく、何気ない会話、昔の知り合い、家族関係、極道社会の上下関係などを少しずつ積み重ねていきます。
だから読み返すと、以前は気に留めなかった場面の意味が変わります。
特に、
霧島の過去
周防薊と霧島の面識
染井蓮二が狙われる理由
吉乃の家族にまつわる過去
このあたりは別々の謎に見えながら、少しずつ一つの線へ近づいているように感じられます。
私は『来世は他人がいい』を恋愛漫画として読むだけでなく、「誰が誰の過去を知っているのか」という情報戦として読むと、一段深く楽しめる作品だと思っています。
吉乃の父親をめぐる過去にも注目
周防薊と吉乃の会話では、吉乃自身が知らなかった家族の過去に触れる情報も提示されます。
原作7巻周辺を紹介する複数の資料では、吉乃の父親が18年前に死亡していること、その出来事について薊が吉乃へ語る展開が確認できます。 資産1億円の30代専業主婦のあれこれ+1
ここも薊という人物の重要性を示しています。
なぜ薊は吉乃本人すら十分に知らない情報を持っているのでしょうか。
彼が単なる戦闘要員なら、そんな情報まで知る必要はありません。
つまり薊は、物語の現在を脅かす人物であるだけでなく、染井家や霧島たちの過去へ読者を案内する「秘密の扉」のような役割も持っていると考えられます。
この点こそ、私が周防薊を本作でも特に重要な人物だと思う理由です。
アニメ『来世は他人がいい』で霧島と周防薊はどう描かれた?
アニメ版『来世は他人がいい』は2024年10月7日に放送が始まり、Blu-ray BOXの公式情報では全12話収録とされています。 来世は他人がいい+1
アニメ化によって特に強くなったのが、「声」で伝わるキャラクターの不気味さです。
染井吉乃役は上田瞳さん。
深山霧島役は石田彰さん。
鳥葦翔真役は遊佐浩二さん。
染井蓮二役は上田燿司さん。
周防薊役は神谷浩史さんです。 来世は他人がいい
石田彰さんが表現する霧島の二面性
深山霧島というキャラクターと、石田彰さんの相性は非常に印象的でした。
柔らかく丁寧な話し方をしているときの霧島は、本当に普通の好青年に聞こえます。
しかし、ほんの少し声の温度が変わるだけで「この人は何を考えているのか分からない」という恐怖が立ち上がってくる。
原作では表情やコマ間で感じていた異質さが、アニメでは声の間や抑揚として伝わってくるのです。
私はここに、アニメ化の大きな意味を感じました。
霧島は突然別人格になるのではありません。
同じ声、同じ笑顔のまま怖くなる。
その境界線の曖昧さが、彼の本質にとても合っています。
神谷浩史さん演じる周防薊の不気味さ
周防薊役の神谷浩史さんも重要です。
公式設定では、薊は普段からマスクを着けており、表情が読みにくい人物とされています。 来世は他人がいい
つまりアニメでは「表情」に頼れないぶん、声が持つ情報量がさらに大きくなります。
怒鳴らない。
大げさに感情を出さない。
それでも危険だと分かる。
この静かな圧力が、薊という人物にはよく似合っています。
霧島の狂気が「笑顔の中にある狂気」だとすれば、薊は「感情が見えないからこそ怖い狂気」。
同じ危険人物でも方向性が違うのです。
制作陣と音楽も作品の空気を支えている
アニメーション制作はスタジオディーン。
監督は川瀬敏文さん、シリーズ構成・脚本はたかすぎ梨香さん、キャラクターデザインは竹田逸子さん、音楽は堤博明さんと鈴木真人さんが担当しています。 来世は他人がいい
本作の魅力は、極道サスペンスだけではありません。
吉乃と霧島の掛け合いにはコメディ的なテンポがあり、その直後に空気が凍るような展開が来る。
この振れ幅こそ『来世は他人がいい』らしさです。
音楽もその温度差を支えています。
オープニング主題歌はTHE ORAL CIGARETTES「UNDER and OVER」。
エンディング主題歌は歌い手・吉乃さんによる「なに笑ろとんねん」で、作詞・作曲・編曲をてにをはさんが担当しています。 来世は他人がいい
特に「なに笑ろとんねん」というタイトルそのものが、作品の持つ関西的な言語感覚と、笑顔の裏にある怒気を象徴しているようで印象的です。
吉乃が誰かに人生を決められるのではなく、自分の足で踏ん張ろうとする作品の空気にもよく合っていると感じました。
考察・見通し:吉乃と霧島の関係は最後にどうなる?
ここからは、原作で確定している事実ではなく、私・みらくる個人の考察です。
私が『来世は他人がいい』を読みながら最も気になっているのは、吉乃と霧島が最終的に「恋人になるか」ではありません。
霧島が吉乃を一人の人間として自由にできるのか。
ここだと思っています。
現在の霧島は、吉乃を強烈に愛しているように見えます。
しかし、その愛には独占欲が濃く混ざっています。
吉乃の意思を尊重する感情と、自分のそばに置いておきたい欲望が、まだ完全には分かれていません。
一方の吉乃は、自分の人生を誰かに所有されることを何より嫌う人物です。
だから二人が本当に結ばれるなら、ただ依存し合うだけでは成立しないでしょう。
共依存ではなく「選び直す」結末になるのではないか
元記事では、二人が最終的に「誰も立ち入れない共依存の極致」に到達するのではないかと予想していました。
この可能性は今でも十分あると思います。
ただ、私はさらに一歩踏み込んで、最終的には一度決められた縁談を二人自身の意思で選び直す物語になるのではないかと考えています。
二人の出会いは祖父たちが決めたものです。
つまりスタート地点では、吉乃も霧島も自分で相手を選んでいません。
そこから物語が始まり、
嫌悪し、
興味を持ち、
傷つけ合い、
助け合い、
それでも相手から離れられなくなっていく。
もし最後に二人が一緒になるなら、「祖父に決められた婚約者だから」では意味がありません。
すべてを知ったうえで、自分から相手を選ぶ。
そこまで描かれて初めて、この物語の恋愛が完成するのではないでしょうか。
周防薊は二人を壊す敵なのか、それとも関係を完成させる存在なのか
周防薊は吉乃と霧島を危険へ巻き込む人物です。
しかし物語構造だけを見ると、彼の存在によって霧島と吉乃が互いの知らなかった部分を知る可能性もあります。
薊が霧島の過去を知っている。
薊が染井家の事情を知っている。
薊が吉乃本人の知らない情報を持っている。
つまり薊が動けば動くほど、二人が隠していたもの、知らなかったものが表へ出てくる。
だとすれば周防薊は、二人の関係を破壊する「爆弾」であると同時に、二人から嘘や幻想を剥がしていく装置でもあるのかもしれません。
私はここが非常に面白いと思っています。
恋愛作品における最大の敵は、必ずしも恋敵ではありません。
「相手について知らなかった真実」の方が、よほど二人を引き裂くことがあります。
『来世は他人がいい』において、その役割を担う可能性が高い人物こそ周防薊なのではないでしょうか。
最後に霧島を止められるのは吉乃だと思う
霧島は非常に強い人物です。
頭も切れ、喧嘩も強く、危険な世界にも慣れている。
しかし精神的には、決して無敵ではありません。
むしろ吉乃という存在ができたことで、初めて分かりやすい弱点を持ったとも言えます。
もし今後、周防薊との因縁や染井蓮二をめぐる問題がさらに大きくなれば、霧島が自分の身を顧みず動く展開は十分考えられます。
そんなとき霧島を止められるのは、組織でも暴力でもなく、吉乃なのではないでしょうか。
元記事では「あんた何一人で勝手に死のうとしてんねん!」と吉乃が一喝するような未来を想像していました。
実際に同じ台詞が出るかはもちろん分かりません。
それでも私は、最後の最後で霧島に「自分の人生をどう生きるか」を選ばせるのは吉乃だと思っています。
霧島は吉乃に人生をめちゃくちゃにしてほしい。
でも物語の終着点では逆に、吉乃から「自分の人生くらい自分で生きろ」と突き返されるのではないか。
そうなったとき初めて霧島は、刺激のためではなく、自分自身の意思で誰かを愛することを知るのかもしれません。
まとめ
『来世は他人がいい』の深山霧島の目的は、吉乃を単に守ることでも、普通に恋人として手に入れることでもないと考えられます。
吉乃は霧島にとって、自分の退屈な世界を壊し、生きている実感を与えてくれる特別な存在です。
だからこそ霧島の愛情には、純粋な恋心、独占欲、刺激への欲求、そして自分の人生を変えてほしいという願いが複雑に混ざっています。
一方、周防薊は吉乃との血縁が確定した人物ではありません。
公式に明らかなのは、所属や動機の多くが謎に包まれた危険人物で、吉乃を求めて霧島の前へ現れ、霧島とは過去に面識があるということです。 来世は他人がいい
原作ではさらに、薊自身が染井蓮二を殺したいと吉乃へ告げる展開があります。 コレ推し!マンガ恋心
つまり今後の大きな焦点は、「なぜ薊は蓮二を狙うのか」「霧島と薊の過去に何があったのか」「吉乃の家族の過去がどう結びつくのか」という部分でしょう。
恋愛、家族、極道社会、過去の因縁。
それらが一本の線につながった瞬間、霧島が吉乃へ執着する意味も、今とは違った形で見えてくるかもしれません。
そして私が何より楽しみにしているのは、最後に吉乃自身が誰の期待でもなく、自分の意思でどんな人生を選ぶのかです。
霧島を選ぶのか。
離れるのか。
それとも「来世は他人がいい」と言いながら、それでも今世では隣に立つのか。
この作品のタイトルが最後にどんな意味へ変わるのかまで含めて、じっくり見届けたいですね。
よくある質問
深山霧島が吉乃に執着する目的は何ですか?
霧島にとって吉乃は、自分の予想どおりに動かず、退屈だった人生そのものを変えてくれる存在です。
単純な恋愛感情だけでなく、独占欲や刺激への欲求、「自分の人生をめちゃくちゃにしてほしい」という特殊な願望が重なっていると考えられます。
周防薊の正体は?吉乃と血縁関係ですか?
周防薊の素性や所属、すべての目的は明かされておらず、公式でも多くが謎に包まれた人物とされています。
吉乃との血縁関係も公式には確定していません。一方、原作では吉乃へ接触し、染井蓮二を殺したいという目的を語っており、染井家に強く関わる重要人物であることは間違いありません。 来世は他人がいい+1
アニメ『来世は他人がいい』の主要声優は誰ですか?
染井吉乃役は上田瞳さん、深山霧島役は石田彰さん、鳥葦翔真役は遊佐浩二さん、染井蓮二役は上田燿司さん、周防薊役は神谷浩史さんです。
アニメーション制作はスタジオディーンが担当しています。 来世は他人がいい
『来世は他人がいい』のように、見終わったあとも心に残るキャラクターの感情や伏線を、これからも読者の皆さんと一緒にじっくり味わっていきます。
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