※本記事はプロモーションを含みます
『リゼロ』6章で記憶喪失のスバルを螺旋階段から突き落とした犯人は、メィリィ・ポートルートです。
ただし、その行動は単純な裏切りや計画的な復讐ではありません。エルザを失った悲しみや怒りを自分でも整理できず、「殺す」以外の解決方法をほとんど知らなかったメィリィの生き方そのものが噴き出した事件でした。
そして第六章56「これからの話」で、スバルは彼女を処罰するのではなく、「これから別の選択肢を覚えればいい」という道を示します。
※この記事では『Re:ゼロから始める異世界生活』第6章「記憶の回廊」、特にメィリィの死者の書から第六章56「これからの話」までの重大なネタバレを扱います。
リゼロ6章で記憶喪失のスバルとメィリィに何が起きた?
まず出来事を整理すると、記憶喪失になったスバルをプレアデス監視塔の螺旋階段から突き落とした人物はメィリィです。
しかも一度の偶然ではありません。
死に戻りによってやり直された別の時間軸でもスバルは背中を押されており、第六章56「これからの話」で、スバルはメィリィが再び行動を起こす状況を作って現場を押さえます。
この時点で、スバルが置かれている状況はかなり特殊です。
スバルたちは「暴食」によって失われた記憶や名前を取り戻す手がかりを求め、アウグリア砂丘の奥にあるプレアデス監視塔へ来ています。
ところが塔の攻略中、今度はスバル自身が大きな喪失に襲われました。
異世界へ召喚されてから現在まで積み重ねてきた記憶を失ってしまったのです。
目の前にいるエミリア、ベアトリス、ラム、ユリウスたちは、自分のことを深く知っています。
しかしスバル側には、彼らと築いた思い出がありません。
「あなたのことを信じている」と言われても、その信頼が生まれた出来事を自分だけが知らない。
これは想像してみると、かなり怖い状態ですよね。
さらに死亡して時間が巻き戻っても、記憶喪失後のスバルは当初、それを自分が長く使ってきた「死に戻り」だと当然のようには理解できません。
自分の身に起きている現象も、周囲の人間も、自分自身の過去も分からない。
その状態で、実際に何者かから命を狙われます。
当然ながらスバルは、「この塔にいる誰かが自分を殺そうとしている」と考え始めました。
出来事の流れを簡単に整理すると、次のようになります。
段階 スバルとメィリィに起きたこと
スバルの記憶喪失 異世界召喚後の経験を失い、仲間との信頼関係も本人には実感できなくなる
螺旋階段での死亡 スバルが背後から突き落とされ、犯人が仲間内にいる可能性を疑う
別周回でも同様の事件 同じ状況が繰り返され、偶発的な事故ではないと分かる
メィリィが死亡する周回 スバルの意識が途切れた後、メィリィが死亡している状況に直面する
死者の書を読む スバルがメィリィの人生とエルザへの感情を追体験する
第六章56「これからの話」 メィリィの犯行を未然に止め、スバルとエミリアが対話の道を選ぶ
ここで大切なのは、単なる「犯人当て」で終わっていないことです。
スバルは死に戻りを使えば、メィリィが自分を突き落とす時間を避けることだけならできました。
しかし、それではメィリィが別の方法を選ぶ可能性が残ります。
そこでスバルは、あえて同じ状況を再現し、メィリィが行動を起こそうとする瞬間を止めました。
つまり彼が知りたかったのは、「どうすれば殺されないか」だけではなく、「なぜメィリィが自分を殺そうとするのか」だったのです。
私は、この違いが第六章56を理解する最大のポイントだと思います。
敵を排除すれば危険は消せます。
でも、それではメィリィが抱えている問題は何一つ解決しません。
スバルは犯人を見つけた瞬間から、事件の解決ではなく、メィリィ自身の問題へ踏み込んでいくのです。
メィリィはなぜ記憶喪失のスバルを突き落とした?
では、メィリィはなぜスバルを殺そうとしたのでしょうか。
結論としては、エルザを失ったことで生まれた感情を自分でも処理できず、そこへ前夜の出来事とスバルの記憶喪失が重なった結果、突発的に殺害という選択肢へ向かったと考えるのが適切です。
「エルザの復讐だった」と一言でまとめると、少し違います。
実際、スバルから復讐したかったのかと問われたメィリィ自身も、自分の答えをはっきり持てていません。
ここが重要です。
メィリィ・ポートルートは「魔操の加護」を持ち、魔獣を操る力を持つ少女です。
第4章ではエルザ・グランヒルテとともにロズワール邸を襲撃した敵でしたが、その後はスバルたちのもとに置かれ、第6章ではプレアデス監視塔への旅に同行しています。
魔獣が多数生息するアウグリア砂丘では、メィリィの力は一行にとって極めて有用です。
しかし、旅に同行したことと、心まで完全にエミリア陣営へ移ったことは同じではありません。
メィリィには、エルザを失った問題が残っていました。
エルザは彼女にとって、単なる暗殺の仕事仲間ではありません。
行動をともにし、話し方や振る舞いまで影響を受けた、非常に大きな存在です。
メィリィ自身の人生を振り返ると、ここはさらに重く見えてきます。
彼女は自分が何を望むのかを考え、自分で人生を選び続けてきた人物ではありません。
周囲の生き方を真似し、求められた形へ合わせながら生き延びてきました。
その中でエルザは、メィリィが強く慕い、憧れを向けた数少ない相手でした。
しかし、そのエルザはロズワール邸での戦いを経て亡くなります。
好きな人を失った。
悲しい。
腹が立つ。
寂しい。
何かをしたい。
けれど、その気持ちに何という名前を付け、どう扱えばいいのか分からない。
メィリィが抱えたのは、そんな状態だったのでしょう。
その問題がプレアデス監視塔で表面化します。
塔には「死者の書」と呼ばれる特殊な本があり、条件を満たした者が読むことで、亡くなった人物の人生を追体験できます。
メィリィはそこで、エルザに関係する行動を取っていました。
そこへスバルが現れます。
そして翌朝、昨日までとはまるで違うスバル――記憶を失ったスバルが目の前に現れる。
メィリィからすれば、本当に記憶を失ったのか分かりません。
自分を試しているのかもしれない。
昨日の出来事を覚えたまま、知らないふりをしているのかもしれない。
塔まで来たことで、自分の利用価値がなくなり、処分する理由を探しているのかもしれない。
実際、第六章56ではメィリィ自身が、記憶喪失そのものを自分を試すための芝居ではないかと疑います。
この発想に、私は彼女のこれまでの人生が凝縮されているように感じました。
「役に立たなくなれば捨てられる」ことが、メィリィにとって荒唐無稽な想像ではないのです。
だから不安を感じたとき、「話を聞いてほしい」ではなく、「原因を消してしまえばいい」という答えが先に出てしまう。
重要なのは、メィリィが以前からスバルたちを皆殺しにしようと機会を狙っていたわけではないことです。
もし最初からそのつもりなら、魔獣が大量にいるアウグリア砂丘は、魔獣使いである彼女にとって塔の中以上に有利だったはずです。
ところが、メィリィはそこで一行を殺していません。
だからスバルも、動機が以前から存在したのではなく、前夜から当日の流れの中で急激に生まれたものだと考えます。
私はこの部分を「メィリィは感情が薄い」と読むべきではないと思っています。
むしろ逆です。
抱えているものは大きいのに、それを悲しみや怒りとして受け止め、誰かへ伝え、時間をかけて整理する方法をほとんど知らない。
その結果、物事を解決するときの選択肢に「殺す」が入り込んでしまう。
メィリィの問題は感情がないことではなく、感情との付き合い方を教わる機会がなかったことなのだと思います。
メィリィの死亡と死者の書はスバルをどう変えた?
スバルがメィリィへ踏み込めた背景には、さらに重要な出来事があります。
別の周回でメィリィが死亡し、スバルが彼女の「死者の書」を読むことになったことです。
記憶を失ったスバルは、仲間を信用したくても信用しきれません。
周囲が語る「ナツキ・スバル」と、自分が知っている自分が一致しないからです。
その中でメィリィと会話した後、スバルの意識が途切れます。
そして次に状況を認識したとき、メィリィは死亡していました。
さらにスバルの腕には、自分では書いた覚えのない「ナツキ・スバル参上」という日本語の文字が残されます。
これはスバルにとって、とてつもなく恐ろしい出来事です。
仲間の中に殺人者がいるかもしれない。
しかし同時に、自分自身が知らない間に何かをしている可能性まで疑わなければならないからです。
この周回で死亡したメィリィの「死者の書」が現れ、スバルはそれを読むことになります。
そこで彼が体験したのは、単なるプロフィール情報ではありません。
メィリィがどのように生き、どのように周囲を模倣し、自分という存在を形作ってきたのか。
そして、エルザをどれほど特別な存在として見ていたのか。
本人が自分の言葉で説明する以上に深いところまで、スバルはメィリィの人生へ踏み込んでしまいます。

ここで一つ、誤解しやすい点があります。
死者の書を読んだ後、スバルの頭にはメィリィを思わせる声が現れ、誰かを殺す方向へ思考を誘導するような場面があります。
しかし第六章56でスバルは、それを「メィリィの人格が自分へ取り憑いて殺人を勧めていた」と片付ける考えを否定します。
メィリィの人生を知ったからこそ、都合よく殺人をそそのかすだけの存在ではないと理解したのです。
あの誘惑は、自分自身の弱い心が作り出したものではないか。
そうやって責任をメィリィへ押し付けるのをやめます。
私はここが、スバルがメィリィと対話する資格を得る場面でもあると思います。
相手の人生を知ったことだけではありません。
「自分の弱さまで他人のせいにしない」と決めたうえで、メィリィの弱さと向き合う。
だから第六章56での言葉が、一方的な説教だけにはならないのです。
そしてもちろん、メィリィが死亡した周回はそのまま確定した未来ではありません。
スバルの死に戻りによって時間がやり直され、その後の周回ではメィリィの死亡を回避する方向へ進みます。
ここで「死者の書」というシステムが面白いのは、死者を知るための道具が、結果としてまだ生きているメィリィを救う手がかりになったことです。
一度失われた命の記録が、次の世界でその命を失わせないために使われる。
死に戻りと死者の書が重なる第6章ならではの構造だと私は感じます。
スバルはなぜメィリィを処罰せず「これから」を選んだ?
第六章56「これからの話」の核心は、犯人がメィリィだと判明したことではありません。
メィリィの犯行を未然に止めたスバルが、彼女を殺すことも傷つけることも選ばなかったことです。
スバルはメィリィが自分を突き落とそうとする状況を作り、その瞬間に行動を止めます。
これによって、別の時間軸で自分を殺した犯人がメィリィだったことも裏付けられました。
ところがメィリィは、捕まった後も簡単には心を開きません。
本当に自分たちを殺したかったなら、もっと以前に機会はあった。
砂丘なら魔獣を利用できた。
記憶喪失は自分を試すための嘘ではないのか。
塔へ着いて利用価値がなくなった自分を始末するための罠ではないのか。
彼女なりの理屈で状況を分析します。
そして次に考えるのが、自分がどう殺されるのかです。
スバルからすれば、これほど悲しい反応もありません。
普通なら「殺されない可能性」をまず考えたいところなのに、メィリィの中では、スバルを殺そうとした以上、自分も殺されるという結論が自然なのです。
しかしスバルは、その前提自体を崩します。
メィリィを殺さない。
傷つけない。
明日からも関係を続ける。
今回は未遂で止められたのだから、次は違う答えを考えればいい。
メィリィにとっては、理解しにくい提案です。
彼女の世界では、問題があれば最も直接的な方法で取り除くことが生存につながってきました。
だからスバルは、単に「人を殺してはいけない」と道徳を教えるだけではなく、もっと根本へ踏み込みます。
メィリィは物事を解決する選択肢として、殺すことが癖になっているのではないか。
他の方法を知らないだけではないか。
そして、その背景を作った人生までメィリィ自身の責任にしてはいけないのではないか。
そこから話は、エルザへ進みます。
メィリィはエルザを慕っていました。
憧れていました。
失ったことで悲しみ、苦しみ、怒り、殺意すら抱いた。
しかし、自分が本当に復讐したかったのかと問われても、うまく答えられません。
ここが、このエピソードの切ないところです。
「大好きな人を殺されたから復讐する」という明快な物語なら、まだ本人にも理解できます。
メィリィの場合は違います。
好きな人を失ったとき、自分が何を感じればいいのかさえ分からなかった。
だからスバルは、今すぐ答えを出させません。
この塔の中で決めなくていい。
外へ出て、もっと広い世界を見てから考えればいい。
そのために自分たちも努力する。
スバルがメィリィへ渡した最大のものは、「許し」というより、私は猶予だったのではないかと思います。
これまでのメィリィは、その場ですぐに最適解を選び続けることで生き延びてきました。
ところが初めて、
「今、答えを決めなくてもいい」
「迷ったまま生きていていい」
という選択肢を渡された。
それは彼女にとって、殺さないというルール以上に大きな変化だったのではないでしょうか。
エミリアはメィリィとの約束をどう変えた?
この場面をさらに印象深いものにしているのが、エミリアです。
スバルはメィリィと向き合う前から、エミリアに立ち会いを頼んでいました。
ただし目的は、メィリィから自分を守ってもらうことだけではありません。
スバルが心配していたのは、メィリィが危険な状態になったときに止めてもらうことでした。
別の周回では、スバルの意識が途切れたあとにメィリィが死亡しています。
もし再び自分の意識がなくなり、自分の知らない「ナツキ・スバル」が表に出てメィリィを傷つけたらどうするのか。
その可能性を、スバルは完全には否定できません。
だから自分一人で何とかしようとせず、エミリアへ委ねました。
これは記憶喪失直後のスバルから見ると、かなり大きな変化です。
最初は全員が「自分の知らない自分を知っている人」であり、誰を信じればいいのか分かりませんでした。
そこから少しずつ関係を確かめ、ついには自分自身を止める役割まで仲間へ預けられるようになる。
メィリィとの対話は、彼女だけではなく、記憶喪失のスバルが仲間への信頼を再構築している場面でもあるのです。
そしてエミリアは、メィリィに一方的な信頼を要求しません。
スバルの言葉を信じられないなら、これからスバルが約束を守るか一緒に見ていればいい、と考えます。
ここで関係が反転します。
普通なら、
「危険なメィリィをスバルたちが監視する」
という構図になるでしょう。
しかしエミリアが作ったのは、
「スバルが約束を守るか、メィリィも見張っていればいい」
という関係でした。
私はこれが、ものすごくエミリアらしい信頼の作り方だと思います。
「信用して」と言われただけで信用できるほど、メィリィの人生は優しくありませんでした。
なら、最初から信用できなくてもいい。
疑いながら見ていればいい。
その代わり、約束を守り続ける姿を時間をかけて確認してほしい。
信頼を条件ではなく、これから一緒に作る結果へ変えているのです。
さらに、スバルたちはエルザの存在まで否定しません。
エルザを忘れろとは言わない。
好きだったことを恥じろとも言わない。
ただ、好きな人の生き方までそのまま真似する必要はない。
この線引きは、とても大切です。
メィリィが新しい場所で生きるために、過去の自分を全部壊す必要はありません。
エルザを大切に思うメィリィのまま、エルザとは違う道を選んでもいい。
私はここに、メィリィが初めて「誰かを真似した自分」ではない人生を作り始める可能性が生まれたように感じます。
スバルの記憶喪失とメィリィはなぜ似ている?6章のテーマを考察
ここからは私見です。
この一連の出来事は、単に「メィリィが敵から仲間へ近づく話」だけではありません。
第6章で繰り返される、「人をその人にしているものは何なのか」という問いを、スバルとメィリィという二人の角度から描いているように思います。
記憶喪失になったスバルは、過去の自分を知りません。
周囲が語るナツキ・スバルは、何度も仲間を救い、エミリアのために走り、ベアトリスと絆を結び、さまざまな苦難を越えてきた人物です。
ところが本人にその実感がない。
自分の顔をした誰かが、とてつもない人生を先に生きていたような感覚です。
そのためスバルは苦しみます。
自分は本当に「ナツキ・スバル」なのか。
仲間たちが求めているナツキ・スバルになれるのか。
昨日までの自分より劣っているのではないか。
一方のメィリィも、別の意味で「自分とは何か」が曖昧です。
彼女は周囲を模倣しながら生きてきました。
生き方を真似する。
話し方を真似する。
求められる役割を演じる。
そうやって周囲を材料に自分を形作ってきた少女です。
そして、その中でも特に大きな存在だったエルザを失いました。
つまり、
スバルは「自分を作っていた記憶」を失った人。
メィリィは「自分を作る手本だった他人」を失った人。
失ったものは違います。
けれど二人とも、これまで自分を形作ってきた土台が崩れ、「これから誰として生きるのか」を迫られています。
ここに二人を重ねてみると、第六章56「これからの話」という題名が非常に意味深く見えてきます。
この話で重要なのは「以前どうだったか」だけではありません。
メィリィは暗殺者だった。
スバルは以前ならもっと強く立ち回れた。
それは過去の事実です。
しかし過去だけを基準にすれば、二人とも前へ進めなくなります。
だからスバルはメィリィへ、「今すぐ答えを出さなくていい」と伝えます。
私は、この言葉はそのまま記憶喪失のスバル自身にも返ってくるのではないかと思いました。
昨日までのナツキ・スバルと同じでなくてもいい。
今の自分が、その場で何を選ぶのか。
今日の選択を積み重ねた先で、再び「ナツキ・スバル」になっていけばいい。
そしてメィリィも同じです。
エルザを忘れる必要はない。
過去をなかったことにしなくてもいい。
でも、エルザと同じ選択をし続ける必要もない。
二人とも「過去を消して新しくなる」のではなく、「過去を抱えながら、これからの選択で自分を作る」方向へ進んでいる。
ここが、このエピソードに私が感じる一番大きな魅力です。
さらにもう一つ注目したいのが、メィリィを変える方法として「信じさせる」のではなく「見せ続ける」が選ばれていることです。
信頼は一度の名台詞で完成するものではありません。
これまで信じられる環境で育たなかった人に「今日から信用して」と言っても難しい。
だからエミリアは、疑っていてもいいから、スバルが約束を守るか見ていてほしいとします。
これはメィリィにとって、非常に現実的な救いです。
一瞬で価値観を変えなくていい。
少しずつ、新しい事実を経験していけばいい。
人は言葉だけではなく、積み重なった経験によって「こんな生き方もある」と知っていくものです。
そう考えると、第六章56はメィリィが救われた完成地点ではありません。
救われる可能性が初めて具体的に始まった地点なのだと思います。
だから題名は「これまでの話」ではなく、「これからの話」なのでしょう。
まとめ|スバルとメィリィが選んだのは過去の清算ではなく未来
『リゼロ』6章で、記憶喪失となったスバルをプレアデス監視塔の螺旋階段から突き落とした犯人は、メィリィ・ポートルートでした。
ただし、これは長期間準備された裏切り計画とは性質が異なります。
メィリィには、エルザを失った悲しみや怒りを自分で整理し、それを誰かへ伝える方法がありませんでした。
前夜の出来事とスバルの突然の記憶喪失が重なり、物事を解決する方法として染み付いた「殺す」という選択肢へ走ってしまいます。
さらに別の周回ではメィリィ自身が死亡し、スバルは彼女の死者の書を読むことになりました。
そこで彼は、メィリィの人生と、彼女にとってエルザがどれほど大きな存在だったのかを知ります。
だから第六章56で犯行を未然に止めたスバルは、報復を選びません。
間違った行動は間違った行動として認めながらも、「別の答えをこれから覚えればいい」という可能性を残します。
エミリアもまた、メィリィへ一方的に信用を要求せず、スバルが約束を守るか見届ければいいという関係を作りました。
エルザを忘れなくてもいい。
それでも、エルザと同じ道を歩き続ける必要はない。
そして過去の記憶を失ったスバルも、過去のナツキ・スバルを完全に再現しなければ価値がないわけではありません。
今の自分が何を選ぶかによって、これからの自分を作ることができる。
スバルは過去の自分を失い、メィリィは自分の手本だった存在を失った。
そんな二人が「過去に何者だったか」ではなく、「これから何を選ぶか」に踏み出す。
犯人探しから始まった緊迫したエピソードが、一人の少女と一人の少年に未来の余白を与える物語へ変わっていく。
私はそこに、『Re:ゼロから始める異世界生活』というタイトルにも通じる、「失っても、間違っても、そこからもう一度始められる」という温かさを感じました。
よくある質問
リゼロ6章でスバルを階段から突き落としたのは誰?
メィリィ・ポートルートです。
記憶喪失となったスバルはプレアデス監視塔の螺旋階段で背後から突き落とされます。死に戻り後、第六章56「これからの話」で同じ状況を利用し、メィリィが行動を起こそうとする瞬間を止めました。
メィリィはなぜスバルを殺そうとした?
エルザを失った悲しみや怒り、前夜の出来事をめぐる不安、スバルの突然の記憶喪失などが重なったことが背景にあります。
以前から一行を皆殺しにする計画を進めていたというより、自分の感情を処理できない状況で「殺す」という慣れた解決方法を突発的に選んでしまったと捉えるほうが、第六章56の描写に沿っています。
メィリィはリゼロ6章で死亡する?
メィリィが死亡する周回はありますが、その死がそのまま確定するわけではありません。
スバルの意識が途切れた後にメィリィが死亡している状況が発生し、彼女の死者の書も現れます。その後、死に戻りによって時間がやり直され、別の展開へ進みます。
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